対象不動産
■物件名
シティハウス東麻布
■住居表示
港区東麻布1-7-5
■地番:7番地2
■敷地面積:717.14㎡
■延床面積:4864.17㎡
■建築年月日:平成29年5月12日
■構造:鉄筋コンクリート造 陸屋根
■階数:15階建
調査概要
今回の調査先一覧
東京国道事務所 品川出張所
東京都品川区八潮1-1-3[ Googleマップ ]
りんかい線・東京モノレール 天王洲アイル駅 徒歩15分
JR線他 品川駅 バス10分
港区役所
東京都港区芝公園1-5-25[ Googleマップ ]
都営大江戸線・浅草線 大門駅 A6出口 徒歩5分
都営三田線 御成門駅 A2出口 徒歩5分
JR山手線・京浜東北線 浜松町駅 北口 徒歩10分
所要時間
約3時間 ※移動時間込
若潮橋(バス) → 品川駅 →[京浜東北線]→ 浜松町駅
事前準備
印刷した資料
- 住宅地図
- 全部事項 土地・建物
- 公図
- 測量図
オンラインで確認したこと
窓口で取得した資料一覧
東京国道事務所 品川出張所
- 2階
- 道路台帳現況平面図のスクリーンショット(管理係)
(原本の複写が出来ないため閲覧・撮影のみ)
- 道路台帳現況平面図のスクリーンショット(管理係)
港区役所
- 6階
- 建築計画概要書(建築課 建築事務係)
- 台帳記載事項証明書(建築課 建築事務係)
- 5階
- 道路台帳現況平面図(土木管理課 土木管理係)
- 土地境界図(土木管理課 土木管理係)
注意点・苦労したこと
今回の物件は、東・南・西と三面で接道をしており、そのうち東と南の2面は一般的な1項1号でしたが、西側が珍しい状況になっていました。
道路種別を記載した「指定道路図」を閲覧すると、道路の大部分は2項道路ですが、一部のみ1項1号になっています。また、凡例をみると通常の2項道路とも若干違っているようで「1項1号又は2項道路 ※幅員4m以上の範囲は1項1号、4m未満の場合は2項」と記載されています。もう少し状況を整理していきたいので次は法務局資料を閲覧してみます。
まずは公図を確認したところ、当該道路は1筆のみであることがわかりました。続いて謄本も取ってみました。
どうやら土地区画整理の中で整備をされ、区の所有地になっているようです。大部分は2項道路ですが、一部だけでも1項1号である以上、道路番号や幅員の資料があるはずなので区道の台帳も閲覧してみます。すると、区の管理上は2項道路の部分も含めてまるごと「区道」として記載されていました。
ここまでの情報から、恐らく指定道路図にピンク色で記載されているのは「区有地で区道認定もされた2項道路で、あとは幅員さえ4m以上になれば1項1号の要件を満たせる状態にあるもの」だろうということもわかってきました。
ちなみに港区では( )内に記載されているのが現況幅員、それ以外は認定幅員です。現況幅員では全区間4mを超えていることがわかります。つまり、凡例の記載に従えば「4m以上の幅員があるので1項1号なのかも?」という疑問が湧いてきます。ここまでの内容はすべてオンライン上で確認が可能ですが、湧き出た疑問の確認もしなければなりませんのでこれらの資料をもって窓口に向かいます。
さて区役所では2項道路を管轄する窓口には直接出向かず、念のため概要書を先に取得し建築当時の状況の把握に努めました。うーん・・・どうみても幅員4m以上ある区間も2項道路と記載されている・・・「4mあるから1項1号」とはいかないような雰囲気が出てきました。
※以下、窓口でのやり取りの履歴を残します。
弊社:この道路なんですが、指定道路図には「4m以上の幅員があれば1項1号」との記載があります。これは「現状は2項道路だが、区有地であり区道の認定もあるので4mの幅員確保ができれば1項1号の要件を満たす」ということだと思うのですが・・・現況平面図では4m以上の幅員を確認できるのに大部分は2項道路のまま、一部のみが1項1号として記載されているのはなぜでしょうか?
港区:2項道路として記載されている範囲は道路中心線が未確定です。現況が4mあるかどうかというよりは、確定した道路中心線から両側に2mの幅員が確保できたら1項1号になると言ったほうがいいかもしれません。
弊社:なるほど。起点となる中心線が決まってない以上、断言ができないと。でも、既に1項1号の部分はありますよね?基本的にはこの1項1号部分の道路中心線の延長線上に位置するものではないのですか?
港区:その可能性は十分あります。が、現時点では「確定していない」以上の回答ができません。
弊社:ぐぬぬ・・・
港区:2項道路の範囲については、道路中心線から2m後退して建築計画を作成してください。しかし、将来的に道路中心線が現況道路の中心線からずれた位置で確定した場合には更に後退が必要になる可能性はあります。
弊社:区道で4m以上あるのにその可能性って・・・
港区:可能性はあります。
弊社:ぐぬぬぬぬ・・・
ということでかなり癖のある状況でしたが基本的には、1項1号という幻想を捨て「2項は2項だ!!」と割り切って淡々と進めたほうが良さそうな状況でした。現場からは以上です。