都市計画法 – 役所調査マニュアル[実践編]

市街地開発事業

監修者

宅地建物取引士・公取協認定不動産広告管理者
野村 道太郎

大手不動産会社、広告代理店を経て現在は『不動産会社のミカタ』 『役所調査のミカタ』の編集長を兼務。実務者目線で「使える情報」の発信に重きをおいています。

監修者

宅地建物取引士
公取協認定不動産広告管理者

野村 道太郎(プロフィール)

都市計画施設が市街地を線的・点的に整備するのに対して、市街地開発事業は一定のエリアを面的に区切り、公共施設と宅地をまとめて開発する性格が強いものです。根拠とする法律、目的に応じて下記の7種が存在しています。

  1. 土地区画整理事業
  2. 新住宅市街地開発事業
  3. 工業団地造成事業
  4. 市街地再開発事業
  5. 新都市基盤整備事業
  6. 住宅街区整備事業
  7. 防災街区整備事業

これらのいずれかに該当していた場合、市街地開発事業の区域内として建築の制限を受けることになります。なお、7種ありますが圧倒的に事例数が多いのは「① 土地区画整理事業」です。①と比較するとそれ以外の事業は事例数が少なく、⑤の新都市基盤整備事業に至っては、過去に一度も計画されたことがありません。もはや都市伝説のような存在になりつつあります。

さて、市街地開発事業も都市計画法によるものですので、通常は都市計画図に反映されていたり、都市計画を管轄する窓口で調査を行うのが基本です。しかし、進捗によっては専用の窓口が存在していたり、別の窓口を案内されるケースもありますので臨機応変に調査を行わなければなりません。とはいえ窓口がどこであれ、必須で確認すべきことは共通しています。焦らず下記について調査をしていきましょう。

  • 名称
  • 状況(予定区域・施行区域・完了済)
  • 完了予定日は決まっているか
  • 役所側で発行している案内資料、リーフレット等があれば取得する

土地区画整理事業だった場合、もっと確認すべきことがあるのですが、「都市計画法、建築基準法以外の法令」の解説時に詳しく解説しますのでここでは割愛します。また、市街地開発事業については、役所側で案内資料・リーフレットのようなものを用意していることが多いため、取得しながら担当者の説明を聞くようなことも多いです。ケースバイケースですが「事業の進捗は?物件への影響・リスクは何か?」という点を意識しながら聞くと良いでしょう。

まとめ

実践編の初回は8つある調査項目の内、1つ目「都市計画法」についてまとめました。ただ、都市計画法は建築基準法との関連性が強いので、次章「建築基準法」までで一区切りといったほうがいいかもしれません。建築基準法は調査項目が多く、2つ目の単元にして最大の山場を迎える予定です。しかし、理解がすすむと街並みを眺めながら「あ、ここは斜線制限が厳しいんだな」とか「この辺に用途地域の境界がありそう」とか、不動産のプロとして見える景色が変わってきて楽しい領域であったりしますので、めげずに頑張りましょう!

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監修者

宅地建物取引士・公取協認定不動産広告管理者
野村 道太郎

大手不動産会社、不動産専門 広告代理店を経て現在は『不動産会社のミカタ』『役所調査のミカタ』の編集長を兼務。実務者目線で「使える情報」の発信に重きをおいています。

※実績等:初心者向けセミナー「よくわかる役所調査」受講者アンケート結果:満足度96.3%、全国3,000社が利用した「役所調査チェックシート」企画・制作、業務効率化ツール「スマホで役所調査メモ」企画・設計・監修 など

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